山中陽平さん (青年海外協力隊・カンボジア・理数科教師・2010.6~2012.6)
カンボジアでの経験が帰国後の人生に影響を与えたという山中さん。
ボランティア活動を終えて帰国してから3年が経った今を、谷村国際協力推進員がインタビューしました。
大学卒業後は教員を目ざしていましたが、その前に様々な経験を積んで教員として社会還元できるものを得たいと思っていました。すると青年海外協力隊の魅力的な募集広告が目に飛び込んできました。「これだ!」と思いすぐに応募し、カンボジアの首都プノンペンから南へ148kmにあるカンポット州小学校教員養成校への赴任が決まりました。
教員の養成に携わるのは初めてでしたが、赴任先では現地の理科教官と協力して授業に実験を取り入れたり、授業研究の実施をしたりしました。2年間の活動の中で最も印象に残っていることは、同僚の教官たちが、自分たちで捻出して購入した教材を、授業に取り入れようとしていた姿を見たことです。他国のボランティアや援助に頼るばかりではなく、「自分たちで何とかしなくてはならない」と、彼らの姿勢が変化したことに心を打たれました。
カンボジアでの経験から「日常を当たり前とは思わないこと。日本のやり方がいつも正しいとは限らない」ということを知りました。帰国後は自治体職員として勤務しています。今は、当初目ざしていた教員以外の道を歩んでいますが、今後も自身の経験を伝え、社会に還元できる機会を積極的に持っていきたいと思っています。